涙から生まれた恋

シャーロットは空港で呆然と立ちつくしていた。
明日、挙式の予定なのに、婚約者が現れなかったのだ。
あまりのことに、人目もはばからずにしゃくり上げていると、ダニエルと名乗る男性に声をかけられた。
彼はシャーロットの話をひとしきり聞いたあと、食事に誘ってきた。
不誠実な男性とは、二度と関わりたくないわ!シャーロットは彼に渡された名刺を突き返すと、くるりと背を向けて歩き去った。
翌日、ダニエルと結婚式を挙げることになるとは夢にも思わずに。
フライト・アテンダントのルーシーはマルディビノ公国のプリンス、グイドと交際していた。
世界各地で気ままな逢瀬を重ねるようになってから一年ほどたったある日、初めてグイドのアパートメントに招かれ、マルディビノ公国でおこなわれる彼の甥の洗礼式に招待された。
身分が違いすぎると、彼との将来を悲観していただけに、ルーシーの喜びはひとしおだった。
もしかして、わたしは愛されているの?だが、彼女の期待とは裏腹に、グイドの誘いにはある企みがあった。
ある晩餐会で、そのまなざしを感じたとたん、ポーシャの運命は狂い始めた。
まなざしの主は、ディエゴ・サエス。
やり手の実業家で、次々に女性をものにするプレイボーイだ。
晩餐会の夜以来、ディエゴは執拗にポーシャにアプローチをかけてくる。
まるで狩りを楽しんでいるかのように。
お金さえあれば、女性はみんな思いのままになると思っているのね。
ついに業を煮やしたポーシャは、冷たい口調でディエゴに言い放った。
「私があなたのような人と関係を持つと思うの?」愛車を運転していたアンジーは、目の前の看板広告を見て、急ブレーキを踏んだ。
そこに写る巨大な顔写真は、紛れもなく彼女だったのだ。
しかも、恋人募集! セクシーエンジェルと書いてある。
訳がわからず動揺しつつも、アンジーは商談の場へと急いだ。
相手は不動産王のヒューゴ・フルブライトだ。
アンジーが自己紹介をすませるなり、彼はきいた。
「アンジーというのは、エンジェルの短縮形かな?」広告を見たのね! 頬を染めた彼女に、ヒューゴは追い討ちをかけた。
王族専用機の窓の下に青い海と砂漠の街が見えてくると、エマは自分が本当に神秘に包まれた国を訪れたのだと実感した。
突然現れた国王の使者から招待を告げられたときは、誘拐されてどこかへ連れていかれるのかと思ったけれど。
これからピンクの宮殿とよばれる王宮で国王に謁見する。
そこにはいったい何が待ち受けているのかしら? 不安を覚えながらリムジンから降り立ったエマは、ふと視界の端でとらえたものに視線を向けた。
影の中から長身の人物が近づいてくる。
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